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BMJクリスマス号

毎年BMJの最終号はジョークを交えた原著論文が掲載されるので楽しいです.過去には,その論文の結果を真に受けたメディアが大々的に報道して大恥をかくということもありました.こういったユーモアのある研究があると,楽しくなりますね!


神奈川EBM実践研究会忘年会クイズ大会
BMJクリスマス号2014年

2014年:医学コミュニケーションにおけるGoogle翻訳の使用:正確性の評価

Christmas 2014: Found in Translation
Use of Google Translate in medical communication: evaluation of accuracy
BMJ 2014;349:g7392.
10の医学文章をGoogle翻訳を用いて26の言語に翻訳し,該当する言語のネイティブスピーカーが英語にバックトランスレートし,意味の正確性を評価した.
Google翻訳は医学文章の翻訳で用いた場合には57.7%しか正しくなく,重要な医学交流において信用して使うべきではない.しかし,医師と患者に言語の障壁がある場合のコミュニケーションには,最も簡単に,無料で素早く使える.救命と法的コミュニケーションが必要な場合は注意が必要だが,人的翻訳サービスが利用できない場合に補助的に有用となりうる.

2014年:現代に死亡を予測するヒポクラテスの予測格言の有用性:前向きコホート研究

Christmas 2014: On the Wards, in the Surgery
Utility of Hippocrates’ prognostic aphorism to predict death in the modern era: prospective cohort study
BMJ 2014;349:g7390.
【目的】よい認知機能とよい食欲を2つの予後因子と同定するというヒポクラテスの格言の1つが,現代の社会生活を送っている高齢者でも死亡を予想するか検証する.
【デザイン】既存の人口ベースのコホート研究の二次解析.
【セッティング】健康と老化のマニトバ研究 Manitoba Study of Health and Aging.
【研究参加者】1991年の時点で「健康と老化のマニトバ研究 Manitoba Study of Health and Aging」に組み入れらた65歳以上の社会生活を送っていて,5年以上追跡されている1751人.
【主要評価項目】死亡までの時間.
【方法】疫学研究センターのうつ病サブスケールを用いて食欲を測定し,ミニメンタルステート検査を用いてヒポクラテスの予後因子を引き出した.25点を超える場合に正常と考えられた.認知機能と食欲が正常な人と,認知機能が悪いまたは食欲のない人を比較した.年齢,性別,教育,機能状態で調整したCox回帰モデルを用いた.
【結果】予測格言は,未調整ハザード比2.37(95%信頼区間1.93~2.88),年齢,性別,教育で調整したハザード比1.71(1.37~2.12)で死亡を予測した.食欲が悪いことと認知機能が悪いことは,いずれも死亡を予測した.しかし測定が十分ではなかったため,感度と特異度は求められなかった.
【結論】1000年前にヒポクラテスが作った格言は,現代でも死亡を予測できる.

2014年:静かな夜:緩和ケアにおける「終末効果」の可能性を評価する後ろ向きデータベース研究

Christmas 2014: On the Wards, in the Surgery
Silent night: retrospective database study assessing possibility of “weekend effect” in palliative care
BMJ 2014;349:g7370.
【目的】平日と週末/祝日の緩和ケア病棟の患者の死亡率を比較する.
【デザイン】後ろ向きデータベース研究.
【セッティング】ドイツの緩和ケア病棟.
【集団】1997年1月1日~2008年12月31日の緩和ケア病棟の全入院.
【主要評価項目】死亡日の属性(平日,週末/祝日)をポアソン回帰モデルを用いて解析する.
【結果】2565人の入院患者と1325人の死亡が記録された.448人(33.8%)の死亡が週末や祝日に起こった.週末や祝日の死亡率は平日よりも18%高かった(死亡リスク比1.18,95%信頼区間1.05~1.32,P=0.005).
【結論】緩和ケア病棟の患者は週末や祝日に死亡するリスクが高かった.前向き研究がないため,この関連が起こる実際の理由は不明である.

2014年:テレビで流れる医学のトークショー-彼らは何を推奨し,その推奨を支持するエビデンスは何か?:前向き観察研究

Christmas 2014: Media Studies
Televised medical talk shows—what they recommend and the evidence to support their recommendations: a prospective observational study
BMJ 2014;349:g7346.
【目的】人気のある医学トークショーで示される健康についての推奨の質を評価する.
【デザイン】前向き観察研究.
【セッティング】大手テレビメディア.
【研究参加者】全世界に毎日配信されている医学テレビトークショー(The Dr Oz ShowThe Doctors).
【介入】The Dr Oz ShowThe Doctorsのそれぞれ40エピソードを2013年の年頭にランダムに選び,それぞれの番組のすべての推奨を同定,評価した.経験のあるエビデンスレビューアのグループが,各ショーからランダムに選んだ80の推奨を支持するエビデンスを独立に検索し,チームで評価した.
【主要評価項目】経験のあるエビデンスレビューアのチームが同定したエビデンスによって支持された推奨のパーセンテージ.副次アウトカムは議論されたトピックス,ショーの中で作られた推奨の数,作られた推奨のタイプとその詳細.
【結果】160の推奨(それぞれのショーから80ずつ)のうち54%(95%信頼区間47~62%)で,症例研究やそれより優れたエビデンスを見つけた.The Dr Oz Showの推奨は,46%で支持するエビデンスがあり,15%で否定するエビデンスがあり,39%でエビデンスが見つからなかった.The Doctorsの推奨では,63%で支持するエビデンスがあり,14%で否定するエビデンスがあり,24%でエビデンスが見つからなかった.信じられる,またはやや信じられるエビデンスで支持されたのはThe Dr Oz Showの推奨の33%,The Doctorsの推奨の53%だった.平均では,The Dr Oz Showでは1エピソード当たり12の推奨が,The Doctorsでは11の推奨があった.最も多かった推奨のカテゴリは,The Dr Oz Showでは食事のアドバイス(39%)で,The Doctorsでは専門家への相談(18%)だった.ショーで作られた推奨に特別の利益があると示されていたのは,それぞれ43%と41%だった.利益の大きさが示されていたのは,The Dr Oz Showでは推奨の17%,The Doctorsでは11%だった.利益相反を公開していたのは推奨の0.4%だった.
【結論】医学トークショーで作られた推奨は,特別な利益やその効果の大きさについての情報が不十分だった.推奨の約半数はエビデンスがないか最良のエビデンスに反するものだった.潜在する利益相反についての表明は稀だった.視聴者は医学トークショーで作られる推奨に対しては懐疑的になるべきである.

2014年:Nintendo関連傷害とその他の問題:レビュー

Christmas 2014: Going to Extremes
Nintendo related injuries and other problems: review
BMJ 2014;349:g7267.
【目的】Nintendoビデオゲームシステムを使用することによって起こる傷害とその他の問題として報告されている全症例を同定する.
【デザイン】レビュー.
【データソースとレビューの方法】2014年7月にNintendoゲームシステムを使用することによっておきた傷害とその他の問題の報告をPubMedとEmbaseを検索した.
【結果】38件の同定された論文のほとんどが症例報告と症例集積研究だった.傷害と問題は神経学的や心理学的なものから外科的なものまであった.伝統的なボタン付きコントローラーは母指伸筋腱炎と関連した.Nintendo 64コントローラーにあるジョイスティックは手掌潰瘍を引き起こしていた.動作感知 Wii リモートコントローラーは筋骨格系や多様な外傷と関連があった.
【結論】ほとんどの問題は軽症か頻度が低い.報告された傷害は,ビデオゲームコンソールによって多種あるゲームをコントロールすることに関連した.
Nintendo関連傷害
Nintendinitis  コントローラーによる操作のし過ぎ
Wii出現による新たな疾患
 Wiiitis

 Wii knee
 Surgerii

上肢筋腱炎
膝蓋骨偏位,大腿骨外踝骨折,内側半月断裂
致死的な外傷(血胸,腸管穿孔,脳卒中)

2014年:待合室の雑誌が古いことに対する患者の苦情の原因:コホート研究

Christmas 2014: On the Wards, in the Surgery
An exploration of the basis for patient complaints about the oldness of magazines in practice waiting rooms: cohort study
BMJ 2014;349:g7262.
【目的】待合室のほとんどの雑誌が古いことに対する患者の苦情を原因を明らかにする.
【デザイン】コホート研究.
【セッティング】ニュージーランド,オークランドの開業医の待合室.
【研究参加者】87冊の雑誌を3つの棚に入れ,診察室に置いておく.ゴシップでない雑誌(Time magazine, the Economist, Australian Women’s Weekly, National Geographic, BBC History)とゴシップ雑誌(訴訟を恐れて何かは明記しない)があった.ゴシップ雑誌は,表紙に5枚以上のセレブの写真があるもので,最もゴシップなものは10枚もあった.
【介入】雑誌の裏表紙に固有の番号を付け,待合室の3つの棚に置いて2週間ごとにモニターした.
【主要評価項目】発行2ヶ月以内と発行3~12ヶ月の雑誌の消失率,雑誌全体の消失率,ゴシップ雑誌と非ゴシップ雑誌の消失率
【結果】82誌中47誌の表紙に見える日付が2ヶ月以内のものだった.その47誌中の28誌(60%)とそれより古い25誌中10誌(29%)が消失していた(P=0.002).31日後,87誌中41誌(47%,95%信頼区間37~58%)が消失した.非ゴシップ雑誌19誌の中で消失したものはなかったが,ゴシップ雑誌は27誌中26誌(96%)が消失していた(P<0.001).もっともひどいゴシップ雑誌は15誌全てが,また非ゴシップ雑誌は19誌全てが31日までに消失した.研究はこの時点で終了した.
【結論】開業医の待合室は主に古い雑誌ばかりである.この現象は古い雑誌を供給していることよりも雑誌が亡くなることと関連している.ゴシップ雑誌は非ゴシップ雑誌よりも消失しやすい.コストを理由に私達は古い非ゴシップ雑誌を供給することをアドバイスする.待合室の科学課程が,緊急で必要である.

2014年:健康成人に対する月1回のビタミンD3補充の地震による被害に対する効果:ランダム化比較試験

Christmas 2014: Going to Extremes
Effect of monthly vitamin D3 supplementation in healthy adults on adverse effects of earthquakes: randomised controlled trial
BMJ 2014;349:g7260.
【目的】ビタミンD補充が地震による被害からの回復を改善させるかどうか明らかにする.
【デザイン】ランダム化二重盲検プラセボ比較試験への偶然の追加.
【セッティング】2010年9月4日から続いている広範囲の破壊,死亡者,甚大な心理的な被害を引き起こした地震が起こったニュージーランド,クライストチャーチ
【研究参加者】2010年2月~2011年11月にすでにvitamin D and acute respiratory infections study (VIDARIS)に参加していた18~67歳の健康な成人322人(女性241人,男性81人).
【介入】参加者はビタミンD3 200,000IUの月1回経口投与を2ヶ月間受け,その後100,000IU月1回(n=161)またはプラセボ(n=161)を合計18ヶ月間.
【主要評価項目】これは,既報であるVIDARIS試験の事後解析である.今回の解析の主要評価項目は,2011年2月22月の壊滅的な地震の4ヶ月後に行われたアンケートで評価した自己報告でのクライストチャーチ地震の影響と全体的な被害とした.副次評価項目は,元々のVIDARIS試験の一部としての普段の月1回の受診における患者が申告した「心理的な」被害の数とした.
【結果】308人の参加者(ビタミンD群n=152,プラセボ群n=156)が地震の影響についてのアンケートに答えた.ビタミンDのサプリを服用していた人とプラセボを服用していた人の間では自己申告の被害の数に統計学な差はなかった.治療群間で全体の被害インパクトスコアに差はなかった(χ2 P=0.44).例外は,ビタミンD群が家族関係に悪影響を経験したことだった(22%対13%,χ2 P=0.03).参加者が普段の月1回の受診で申告した,倦怠感,ストレス,不安,不眠などの心理的被害は地震後に有意に高かった(χ2 P=0.007)が,治療群間では違いがなかった.
【結論】ビタミンD補充は健康成人における地震の被害を減らさなかった.

2014年:世界的に影響力のあるセレブの間でのアイスバケツチャレンジの伝染力:後ろ向きコホート研究

Christmas 2014: Media Studies
Transmissibility of the Ice Bucket Challenge among globally influential celebrities: retrospective cohort study
BMJ 2014;349:g7185.
【目的】世界中で影響力のあるセレブの間でのアイスバケットチャレンジの伝染力を推定し,それに関連するリスク因子を同定する.
【デザイン】後ろ向きコホート研究.
【セッティング】ソーシャルメディア(YouTube,Facebook,Twitter,Instagram).
【研究参加者】デビッド·ベッカム,クリスティアーノ·ロナウド,ベネディクト·カンバーバッチ,スティーブン·ホーキング,マーク・ザッカーバーグ,オプラ·ウィンフリー,ホーマー·シンプソン,カエルのカーミットをインデックスケース(発端患者)と定義した.それぞれのインデックスケースから播種した5世代まで含め,合計99人を組み入れた.
【主要評価項目】基本再生産数R0.挑戦を受け入れるまでの間隔,完全に観察下にある氏名の連鎖に基づいた関連するリスク因子のオッズ比;R0は伝染性の尺度であり,完全に感受性のある集団における単一の発端者から生み出される2番目の症例の数と定義される.連続間隔serial intervalは,最初の症例の発症と2番目の症例の発症の間の期間である.
【結果】経験的データと枝分かれプロセスの仮定に基づいて,我々は平均R0が1.43(95%信頼区間1.23~1.65),挑戦を受け入れる平均連続間隔が2.1日(中央値1日)と推定した.参加者の純資産(常用対数)が高いほど,年齢と性別で調整した伝染と正の相関がみられた(オッズ比1.63,95%信頼区間1.06~2.50).
【結論】アイスバケツチャレンジは世界的に影響力のあるセレブのグループで中程度の伝染力があり,パンデミックA/H1N1 2009インフルエンザと同じ程度だった.チャレンジは純資産の多いセレブにより広まりやすく,社会的な影響がより大きいことを反映している側面があるかもしれない.


2014年:アニメにおける殺人:子供の寿命が縮まる新しい客観的観察研究における活気付けられた娯楽劇場での犠牲者

Christmas 2014: Media Studies
CARTOONS KILL: casualties in animated recreational theater in an objective observational new study of kids’ introduction to loss of life
BMJ 2014;349:g7184.
【目的】子供向けアニメ映画と大人向けドラマ映画における重要人物の死亡リスクを評価する.
【デザイン】スクリーン上での最初の死亡までの時間をCox回帰を用いたKaplan-Meier生存曲線で比較する.
【セッティング】著者のテレビスクリーン,ポップコーンありとポップコーンなしで.
【研究参加者】トップ45本の子供向けアニメ映画とトップ90本の成人向けドラマ映画における重要人物.
【主要評価項目】スクリーン上での最初の死亡までの時間.
【結果】子供向けアニメ映画の重要人物は,成人向けドラマ映画の登場人物よりも死亡リスクが増加していた(ハザード比2.52,95%信頼区間1.30~4.90).重要人物のスクリーン上での殺人リスクは,子供向けアニメ映画が対照映画と比較して高かった(2.78,1.02~7.58).
【結論】子供向けアニメ映画は無害なエンターテイメントだと推定されていたが,スクリーン上での死亡や殺人でいっぱいである.

2014年:手術室の時間,一体どうなる?

Christmas 2014: On the Wards, in the Surgery
Operating theatre time, where does it all go? A prospective observational study
BMJ 2014;349:g7182.
【目的】手術や手技を完遂するのにかかる時間を予測し,手術室運営のスケジュール決めの難しさを説明する外科医と麻酔科医の正確性を評価する.
【デザイン】単一施設での,前向き観察研究.
【セッティング】約37万人をカバーするレベル1外傷センターでの形成外科,整形外科,一般外科の手術室運営.
【研究参加者】外科専門医,外科研修医,麻酔科専門医,麻酔科研修医を含む92人の手術室スタッフ.
【介入】研究参加者は手術にどれくらいの時間がかかるか聞かれた.そのデータはその症例の終了時に記録された実際の時間データと比較された.
【主要評価項目】予想と実際の時間の絶対差.
【結果】一般外科医は手術に必要とした時間を31分(95%信頼区間7.6~54.4)過小評価した.これは,予想よりも平均で28.7%長くかかったことを意味する.形成外科は5分(-12.4~22.4)過小評価し,予想よりも平均で4.5%長くかかった.整形外科医は1分(21.7~48.7)過大評価しており,平均では予想より1.1%手術時間が短かった.麻酔科医は35分(21.7~48.7)過小評価し,平均では予想よりも167.5%手術時間が長かった.4つの専門での平均時間の過大評価と過小評価は,群間で有意に差があった(P=0.01).麻酔科医と整形外科医,形成外科医の間の時間の違いは統計学的に有意だった(P<0.05)が,麻酔科医と一般外科医の間には時間の差に有意な違いはなかった.
【結論】手術に必要な時間を臨床医が予測できないことは,手術室で遅延の原因として重要である.この研究では,麻酔科医がもっとも不正確であり,専門家間の違いは「麻酔時間」が関与しているものと考えられる.

2014年:第一次世界大戦の軍人の死亡率:2つのコホートの比較

Christmas 2014: In Love and War
Mortality of first world war military personnel: comparison of two military cohorts
BMJ 2014;349:g7168.
【目的】軍人(戦争で生き延びた退役軍人を含む)の寿命における第一次世界大戦の影響を評価する.
【デザイン】軍人の2つのコホートを死亡まで比較する.
【セッティング】第一次世界大戦に参加したユージーランドを離れた軍人
【研究参加者】ニュージーランド遠征軍のデータセットから,1914年に輸送船に乗船した人をランダムに選び,1918年に輸送船に乗船した非戦闘コホートと比較した(各群350人).
【主要評価項目】情報源(個々の軍事ファイルや生誕と死亡を記録した公式データベースなど)で知りうる範囲の生年月日と死亡日のデータに基づいた寿命.
【結果】1914年コホートの4分の1が戦争中に死亡し,外傷による死亡(94%)が病死(6%)を凌駕していた.このコホートは,1918年の非戦闘コホートよりも寿命が統計学的に短かく,死亡年齢の中央値は65.9%対74.2%(Kaplan-Meiere生存曲線では8.3年の違いだった,log rank P<0.001)だった.戦後の退役軍人の寿命の違いはわずかであり,死亡年齢の中央値は72.6歳対74.3歳だった(1.7歳差,log rank P=0.043).入隊時の部隊に基づく階級はコホート間で違いがなかった.
【結論】1914年の第一次世界大戦にニュージーランドから従軍した軍人は寿命が8年縮んだ(他の軍人コホートとの比較).戦後,早期死亡のリスクが増えたままだった.

2014年:ダーウィン賞:アホな行動の性差

Christmas 2014: Going to Extremes
Ben Alexander Daniel Lendrem, Dennis William Lendrem, Andy Gray, John Dudley Isaacs
The Darwin Awards: sex differences in idiotic behaviour
BMJ 2014;349:g7094.
リスクを探す行動,緊急入院,死亡率についての性差明らかにされている.しかし,アホと捉えられるリスクとなるような行動の性差については,ほとんど知られていない.本論文では,ダーウィン賞の受賞者に関するデータを20年間(1995~2014)をレビューする.ダーウィン賞の受賞者は,アホな人間を1人減らすように自分自身を遺伝子プールから削除しなければならない.本論文では,ダーウィン賞の受賞者に著しい性差を報告している.男性は女性よりも有意に多く受賞している(P<0.0001).私たちはこの違いの理由について議論している.

2014年:ユーモアがあって贅沢な略語と重要な臨床試験に付けられた徹底的に不適切な名前についての検索:質的量的システマティック研究

Christmas 2014: Found in Translation
SearCh for humourIstic and Extravagant acroNyms and Thoroughly Inappropriate names For Important Clinical trials (SCIENTIFIC): qualitative and quantitative systematic study
BMJ 2014;349:g7092.
【目的】5つの主要な医学雑誌で用いられた略語の発達を記述し,その技術的,美的品質を評価する.
【デザイン】Pubmed.govの文献検索で得られた略語について,標準化された略語品質評価(BEAUTY基準とCHEATING基準)で評価した.
【研究参加者】2000~2012年に発表された精神科,リウマチ,呼吸器,内分泌,循環器のランダム化比較試験.
【主要評価項目】略語の有病割合と経時的複合品質スコア.
【結果】14950件の論文が同定され,そのうち18.3%(n=2737)のタイトルに略語が使われていた.略語は循環器の研究で他の領域よりも使われていた(40% vs 8-15%,2012年,p<0.001).循環器を除くと,残りの4つの領域では略語の有病割合は経時的に増加し,2000年から2012年の間に4.0%から12.4%になった(P<0.001).複合略語品質スコアの中央値は研究期間中,2000年の9.25から2012年の5.50に有意に減少した(P<0.001).
【結論】2000年から2012年の間に試験中の略語の有病割合は増え,同時にその技術的,美的品質は統計学的に有意に減少した.雑誌の編集者による略語構築についての現在のガイドラインを厳格に施行することが,将来の略語使用を適切なものにするために必要である.

2014年:「批判ばかりする社会主義者」はまだ座っているか?政治活動と身体活動の横断研究

Christmas 2014: Going to Extremes
Bauman A, Gale J, Milton K.
Are “armchair socialists” still sitting? Cross sectional study of political affiliation and physical activity
BMJ 2014;349:g7073
【目的】左翼の「批判ばかりする社会主義者armchair socialists」のコンセプトの妥当性と,右翼や中道の人よりも座っている時間が多いか少ないかを評価する.
【デザイン】ヨーロッパの32の国のEurobarometer dataの二次解析.
【セッティング】著者のsit-stand desks(電動昇降デスク)から生じた研究(口先だけでなく).
【研究参加者】ヨーロッパの29193人の成人,うち左翼1985人,右翼1902人,中道17657人,政治的に中立7649人.
【主要評価項目】自己申告の政策的所属,身体活動,1日合計静坐時間.
【方法】身体活動,静坐時間と政治的所属の関連を評価するために,リニアモデルを使用した.
【結果】調査結果によると,「批判ばかりする社会主義者」の存在は否定された.政治的に極端な人は身体活動が多く,中道と比べて,右翼では週に62.2分(95%信頼区間23.9~100.5),左翼では週57.8分(20.6~95.1)身体活動が多かった.右翼の人は中道の人と比べて1日当たりの座っている時間が12.8分(3.8~21.9)短かった.これは,議場で中央に座っているのであまり動かなくてよく,柵かどこかに座っている時間が長くなっている可能性があり,リスクのある群と定義される.
【結論】主流派である中道よりも活動的なので,批判ばかりする社会主義者という考えをサポートするエビデンスはほとんどなかった.強い政治的見解を採るように中道に働きかけることは,彼らの身体活動を増加させる革新的なアプローチであり,国民の健康に有益である可能性を秘めている.

2013年:有名人からの医学アドバイスに従う:メタナラティブアナリシス

Hoffman SJ, Tan C.
Following celebrities’ medical advice: meta-narrative analysis.
BMJ 2013 Dec 17;347:f7151. doi: 10.1136/bmj.f7151.
【目的】人の健康についての意思決定にどのように有名人が影響するかを統合する.
【デザイン】経済学,マーケティング,心理学,社会学の文献のメタナラティブアナリシス
【場所】以下の電子データベースを系統的に検索した: BusinessSource Complete (1886-),Communication & Mass Media Complete (1915-),Humanities Abstracts (1984-),ProQuest Political Science (1985-),PsycINFO (1806-),PubMed (1966-), Sociology Abstracts (1952-).
【組み入れ基準】あらゆる文脈における有名人の影響についてのメカニズムを論じた研究
【結果】経済学の論文は,有名人がすすめることで競合する他社の商品やアイディアと差別化し,市民の行動を変えることができる信頼性の看板として機能することを示している.マーケティングの研究は,有名人が商品に自分の魅力を移して,その信頼性を高めるために彼らの成功を利用していることを示している.心理学では,人々はもともと有名人からのアドバイスにポジティブに反応するように振る舞い,もしそうしなければ認知の不一致を経験し,自分の考えとともに調和によって影響される.社会学ではソーシャルネットワークや有名人の社会資本を得るという人々の欲望を通じて広がる伝染病のように,有名人の医学アドバイスが広がるのを説明するのに役立つ.
【結論】有名人のステータスの影響は深く根付いていて,いいように活かすこともできれば,害となるほど乱用されたりする.有名人をもっとよく理解することは,医療従事者にこの現象が重いものであると捉えて,健康情報の情報源とその信頼性について公衆を教育するために患者との出会いを利用することができるようになる.公衆衛生の権威者は,エビデンスに基づいた診療を推進しながら偽の健康情報を信用しないために,有名人の推薦とデザインカウンタマーケティング活動(恐らく有名人との提携している)を規制し制限するために,これらの洞察力を利用することができる.

2013年:正しくあるべきか,幸せであるべきか:パイロット研究

Arroll B, Goodyear-Smith F, Moyes S.
Being right or being happy: pilot study.
BMJ 2013 Dec 17;347:f7398. doi: 10.1136/bmj.f7398.

2013年:毎日スタチン1個で医者要らず:比較ことわざ評価モデリング研究

Briggs ADM, Mizdrak A, Scarborough P.
A statin a day keeps the doctor away: comparative proverb assessment modelling study.
BMJ 2013 Dec 17;347:f7267. doi: 10.1136/bmj.f7267.
【目的】スタチンかりんごを1日1個処方されている50歳以上の全成人の英国血管死亡率への影響をモデル化するため.
【デザイン】比較ことわざ評価モデリング研究.
【場所】英国.
【患者】50歳以上の成人.
【介入】スタチン未投与の全患者に対して,スタチンとりんごのいずれかを1日1個投与する.70%のコンプライアンスとカロリー消費量は変えなかった.モデリングにはルーチンで利用できる英国人口データセットを用いた.スタチン,りんご,健康感の関係を示すパラメータはメタアナリシスより導き出した.
【メインアウトカム】血管死.
【結果】スタチンを1日1個の推定年間血管死減少は,コンプライアンスが70%,血管死減少がLDLコレステロール1.0mmol/Lあたり12%(95%信頼区間9%~16%)と推定すると,9400(7000~12500)人である.りんごを1日1個での同じ減少は,PRIMEモデル(りんごが100g,カロリー消費全体は一定)を用いてモデル化すると,8500(95%信頼区間6200~10800)である.
【結論】血管疾患を予防する栄養学的,薬物学的アプローチは,いずれも英国の死亡率を有意に減らす可能性を持つかもしれない.死亡率減少が同じだったことにより,150年の歴史を持つ健康プロモーションメッセージは,現代の医療とマッチすることができ,より少ない副作用で済む.

2013年:処女懐胎:全米長期調査のデータ解析

Herring AH, Attard SM, Gordon-Larsen P, Joyner WH, Halpern CT.
Like a virgin (mother): analysis of data from a longitudinal, US population representative sample survey.
BMJ 2013 Dec 17;347:f7102. doi: 10.1136/bmj.f7102.
【目的】一般的な米国の青少年・若年女性での,性交渉なし妊娠の自己申告による頻度とその要因を推定する.
【デザイン】長期縦断代表サンプル調査.
【場所】米国,青少年の健康についての国民代表多人種全米長期調査.
【患者】wave I(1995年)で組み入れ,データ収集を最近のwave IV(2008~2009)で完了したに7870人の女性.
【メインアウトカム】性交渉なしの妊娠と出産についての自己申告.
【結果】45人の女性(0.5%)が,1回以上の生殖技術の助けを用いることと無関係に,処女妊娠した.性行為から妊娠までの日数が報告された処女妊娠と一致することは稀ではあるが,貞操の誓約をした女性や性行為と出産管理について子供とのコミュニケーションのレベルが低かった親により多かった.
【結論】女性の約0.5%が処女であり,生殖技術の助けを用いていないと頑なに断言し,しかも処女出産である言った.報告の正確さを最適化するための幾多もの強化と保護手段を持ってしても,研究者は潜在的に繊細なトピックスについての自己申告データの収集と分析においては,まだ課題に直面するだろう.

2013年:病棟でのチョコレートの半減期:隠密観察研究

Gajendragadkar PR, Moualed DJ, Nicolson PLR, Adjei FD, Cakebread HE, Duehmke RM, Martin CA.
The survival time of chocolates on hospital wards: covert observational study.
BMJ 2013 Dec 14;347:f7198. doi: 10.1136/bmj.f7198.
【目的】病棟の環境におけるチョコレート消費量を調べる.
【デザイン】他施設前向き隠密観察研究.
【場所】英国にある(著者が勤務する)3病院の4病棟.
【患者】病棟に置いたQuality Street(Nestle)とRoses(Cadbury)のボックスとそれらのチョコレートを食べる人全員.
【介入】観察者は,Quality StreetとRosesのチョコレートの350gのボックス(合計258個のチョコレートの入った8個のボックスを)をこっそり置いた.ボックスは,チョコレートが食べられる度に時間を記録されながら,こっそりとサーベイランスされ続けられた.
【メインアウトカム】チョコレートの生存期間の中央値.
【結果】258個中191個(74%)のチョコレートが食べられたところを目撃された.全観察期間の平均は254分(95%信頼区間179~329)だった.チョコレートの生存期間の中央値は51分(39~63)だった.チョコレート消費のモデルは非直線的で,初期に急速に消費され,時間とともに緩やかになった.指数関数的減衰モデル(モデルR2=0.844,P<0.001)がこれらの所見にもっとも合致し,半減期(50%のチョコレートが食べられてしまうまでの時間)は99分だった.病棟にチョコレートのボックスが出現してから開けられるまでの平均時間は12分(95%信頼区間0~24)だった.Quality StreetチョコレートはRosesチョコレートよりも生存期間が長かった(Roses対Quality Streetの生存のハザード比0.70,95%信頼区間0.53~0.93,p=0.014).チョコレートを消費したのがもっとも多かったのは,医療補助員(28%)と看護師(28%)で,医師(15%)がそれに続いた.
【結論】我々の観察研究からは,病棟でのチョコレートの生存期間は比較的短く,指数関数的減衰モデルによく従った.病棟ではRosesチョコレートはQuality Streetチョコレートよりも先に消費された.チョコレートは主に医療補助員と看護師が消費し,医師がそれに続いた.さらなる実際的な研究が必要である.

2013年:ゆかいなブレディ一家?患者の健康を大きく左右する新しいエビデンス:後ろ向きコホート研究

Keaney JJ, Groarke JD, Galvin Z, McGorrian C, McCann HA, Sugrue D, Keelan E, Galvin Joseph, Blake G, Mahon NG, O'Neill J.
The Brady Bunch? New evidence for nominative determinism in patients’ health: retrospective, population based cohort study.
BMJ 2013 Dec 12;347:f6627. doi: 10.1136/bmj.f6627.
【目的】”Brady”姓の人に徐脈(bradycardia)が多いかを評価することで,患者の健康に患者の名前が影響するかどうかを検証する.
【デザイン】後ろ向き人口ベースコホート研究.
【場所】アイルランド,ダブリンの大学教育病院
【患者】オンライン電話帳を用いて同定した,ダブリン市の”Brady”姓をもつ人.
【メインアウトカム】2007年1月1日から2013年2月28日に徐脈でペースメーカーを挿入した患者の有病割合.
【結果】ダブリンの電話帳に載っている161,967人のうち,”Brady”姓は579人(0.36%)だった.ペースメーカー埋め込み患者の割合はBradyさん(n=8,1.38%)で,Bradyさん以外(n=991,0.61%)よりも有意に高かった(p=0.03).ペースメーカー埋め込み術の未調整オッズ比(95%信頼区間)は,姓がBradyだと,他の名前より2.27(1.13~4.57)だった.
【結論】Bradyの名前がつく患者は一般人口と比較してペースメーカーの埋め込みが必要となるリスクが高い.この結果は,健康を大きく左右する役割となる可能性を示している.

2013年:James Bondの飲み物がシェイクなのは,アルコール誘発性振戦だからなのか?

Johnson G, Guha IN, Davies P.
Were James Bond’s drinks shaken because of alcohol induced tremor?
BMJ. 2013 Dec 12;347:f7255. doi: 10.1136/bmj.f7255.
【目的】Ian Fleming作のシリーズ小説中のJames Bondのアルコール摂取量を測定する.
【デザイン】後ろ向き文献レビュー.
【場所】研究の著者の自宅の快適な椅子.
【患者】James Bond海軍中佐, 007; Mr Ian Lancaster Fleming.
【メインアウトカム】ボンド中佐の週間アルコール消費量.
【方法】14冊のJames Bondの小説を2名の著者が読んだ.飲酒毎にその詳細を同時に記録した.予め決められたアルコール単位レベルを用いて,消費量を計算した.(監禁されているなど)Bondがアルコールを消費できない日も記録した.
【結論】Bondが飲酒できない日を除外した結果,1週間のアルコール消費量は92単位/週であり,推奨される量の4倍を超えた.1日最大消費量は49.8単位だった.飲酒できる87.5日のうち,飲酒しなかったのは12.5日だけだった.
【結論】James Bondのアルコール消費レベルは,多くアルコール関連疾患と早死の高リスクとなる.これほどまでに大量の飲酒で予想される身体的,精神的,そして実に性的機能は,本に記載されている実際の機能に一致しない.我々はさらなる精査加療のために,直ちに専門医受診し,アルコール消費量を安全なレベルまで減らすことを勧める.有名な「ステアではなくシェイクで(shakien, not stirred)」というキャッチフレーズは,アルコール誘発性振戦が彼の手に来ていることによるものの可能性がある.

2013年:笑いとから騒ぎ(MIRTH:笑いと治療と害の系統的研究):ナラティブ統合

Ferner RE, Aronson JK.
Laughter and MIRTH (Methodical Investigation of Risibility, Therapeutic and Harmful): narrative synthesis.
BMJ 2013 Dec 12;347:f7274. doi: 10.1136/bmj.f7274.
【目的】笑いの利益と害の効果をレビューする.
【デザイン】ナラティブ統合.
【データソースとレビュー方法】我々は,Medline(1946年~2013年6月)とEmbase(1974年~2013年6月)を用いてヒトの笑いの利益と害についての報告を検索し,それぞれの論文の数を数えた.
【結果】笑いの利益は怒り,不安,抑うつ,ストレスを減らし,(心理学的,および心血管系)緊張を減らし,痛みの閾値を上げ,心筋梗塞のリスクを減らし(恐らく心から笑うことが必要),肺機能を改善させ,エネルギー消費量を増やし,血糖値を下げることである.しかし,笑いはジョークではない.失神,心破裂と食道破裂,(腹を抱えるほど笑ったり,爆笑したりすることで起こる)腹部ヘルニアの突出,喘息発作,葉間肺気腫,脱力発作,頭痛,下顎脱臼,腹圧性尿失禁(ドレーンのように笑うことで)といった危険がある.笑いの伝染は本物の感染を拡散するが,袖で覆うことで予防できる可能性がある.副作用についての我々の検索での副作用としては,病理学的な笑いの原因,てんかん(笑い発作)や脳腫瘍,Angelman症候群,脳卒中,多発性硬化症,筋萎縮性側索硬化症,運動ニューロン疾患が挙げられた.
【結論】笑いは純粋に利益をもたらすわけではない.害はすぐに起こり,量に関連し,(制御できない)高笑いで最もリスクが高くなる.利益と害のバランスが大事である.下品なジョークが病気をもたらすか,ダジャレ(jokes in bad taste)が味覚障害の原因となるか,またコメディアンでも同じことが言えるかは検討の余地がある.

2013年:マウスとクジラの幹細胞の形態と大きさ:観察研究

Hoogduijn MJ, van den Beukel JC, Wiersma LCM, Ijzer J.
Morphology and size of stem cells from mouse and whale: observational study.
BMJ 2013 Dec 12;347:f6833. doi: 10.1136/bmj.f6833.
【目的】体の大きさが顕著に違う2つの哺乳類の幹細胞の形態と大きさを比較する.
【デザイン】観察研究.
【場所】オランダ.
【患者】ザトウクジラ(Humpback whale,Megaptera novaeangliae)と研究室のマウス(ハツカネズミ,Mus musculus).
【メインアウトカム】脂肪細胞からとった間葉系幹細胞の形態とサイズ.
【結果】形態学的に,マウスとクジラの間葉系幹細胞に違いを見ることが出来なかった.50個の間葉系幹細胞の平均系は,マウスで28(SD 0.86)µm,クジラで29(SD 0.71)µmだった.種間の細胞の大きさに統計学的に有意な差はみられなかった.種間の体格の違いはおよそ200万倍であるにもかかわらず,間葉系幹細胞は同じサイズだった.
【結論】クジラとマウスの間葉系幹細胞は形態学的にもサイズも同じである.

2012年:犬の鼻はクロストリジウム・ディフィシルに感染した便や人を見分けられる?

Bomers MK, van Agtmael MA, Luik H, van Veen MC, Vandenbroucke-Grauls CM, Smulders YM.
Using a dog's superior olfactory sensitivity to identify Clostridium difficile in stools and patients: proof of principle study.
BMJ. 2012 Dec 13;345:e7396. doi: 10.1136/bmj.e7396.
PubMed PMID: 23241268.
【目的】犬の優れた嗅覚が便検体と入院患者のクロストリジウム・ディフィシルを見ることに使えるか?
【デザイン】症例対照デザインを用いた一次研究による証明
【場所】2つのオランダの教育病院
【介入】2歳のビーグル犬がクロストリジウム・ディフィシルの臭いを同定できるようにトレーニングされ,300人の患者(30人がクロストリジウム・ディフィシルに感染,270人がコントロール)
【メインアウトカム】便検体と患者中のクロストリジウム・ディフィシル検出の感度,特異度
【結果】クロストリジウム・ディフィシル同定の犬の感度,特異度は便検体では共に100%(95%信頼区間91~100%)だった.人に対しては,犬は症例の30人中25人(感度83%,65~94%)を,コントロールの270人中265人(特異度98%,95~99%)だった.
【結論】訓練した犬は,クロストリジウム・ディフィシルに感染した便検体と患者の両方のクロストリジウム・ディフィシルを,高い感度,特異度で検出することができる.

2012年:オリンピック選手だった人は長生き?

Zwiers R, Zantvoord FW, Engelaer FM, van Bodegom D, van der Ouderaa FJ, Westendorp RG.
Mortality in former Olympic athletes: retrospective cohort analysis.
BMJ. 2012 Dec 13;345:e7456. doi: 10.1136/bmj.e7456.
PubMed PMID: 23241269.
【目的】かつてのオリンピックアスリートの運動強度のレベルの異なる種目における,その後の人生での死亡率(生年,国籍,性別で調整)を調査する
【デザイン】後ろ向きコホート研究
【場所】かつてのオリンピックアスリート
【患者】1896~1936年にオリンピックに出場した,異なるレベルの心血管,静的,動的強度の運動,身体衝突の高リスクまたは低リスク,身体接触の異なるレベルの43種目の9889人のアスリート(死亡時の年齢が分かっている人)
【メインアウトカム】総死亡
【結果】アスリートの死亡のハザード比は,中程度心血管強度の種目で1.01(95%信頼区間0.96~1.07),高度心血管強度の種目で0.98(0.92~1.04)と軽度心血管強度の種目と同等だった.運動強度の静的および動的コンポーネントも,同様に有意な結果は示さなかった.死亡のハザード比は身体衝突が高リスクの種目のアスリートで1.16(1.11~1.22),身体接触が高度な種目のアスリートで1.16(1.11~1.22)と高かった.多変量解析では,高い心血管強度は依然として同等(ハザード比1.05,0.89~1.25)であり,高い身体接触では依然として高い死亡率と関連した(ハザード比1.13,1.06~1.21).しかし,身体衝突は有意でなくなった(1.03,0.98~1.09).
【結論】オリンピックアスリートだった人では,高い運動強度の種目は低い運動強度の種目よりも生存に対する利益があるとはいえなかった.身体接触が高度な種目は他のオリンピアンよりもその後の余命においてより死亡率が高かった.

2012年:車を運転しながら考え事をすると事故が起こる?

Galera C, Orriols L, M'bailara K, Laborey M, Contrand B, Ribereau-Gayon R, Masson F, Bakiri S, Gabaude C, Fort A, Maury B, Lemercier C, Cours M, Bouvard MP, Lagarde E.
Mind wandering and driving: responsibility case-control study.
BMJ. 2012 Dec 13;345:e8105. doi: 10.1136/bmj.e8105.
PubMed PMID: 23241270; PubMed Central PMCID: PMC3521876.
【目的】注意散漫(手元の作業に関係のない考えごと)と自動車事故の責任
【デザイン】症例対照研究
【場所】2010年4月~2011年8月にフランスの大学病院成人救急部
【患者】自動車事故で受傷した955人の運転手
【メインアウトカム】事故の原因となる,注意散漫,外部への不注意,否定的感情,飲酒,抗精神病薬,睡眠不足.交絡因子として,社会人口学的特徴,事故のタイプ
【結果】強い注意散漫(強く混乱したり,気を散らしたりするような事柄)は交通事故の原因と関連があった(17%(453件の事故のうち78件が運転者が原因となったと考えた)対9%(502件の事故のうち43件が運転者が原因とは考えなかった));調整オッズ比2.12(95%信頼区間1.37~3.28).
【結論】運転中の注意散漫は,視覚と聴覚からの注意を遮断することにより,運転者の環境からの情報を入力する能力を脅かしうるため,道路での安全性を脅かす.

2012年:テレビシェフのレシピはスーパーで調理された食品に劣る?

Howard S, Adams J, White M.
Nutritional content of supermarket ready meals and recipes by television chefs in the United Kingdom: cross sectional study.
BMJ. 2012 Dec 14;345:e7607. doi: 10.1136/bmj.e7607.
PubMed PMID: 23247976; PubMed Central PMCID: PMC3524368.
【目的】テレビに出てくるシェフによって作成されたメインの食事とスーパーマーケットで販売されている調理済み食品のエネルギーと栄養素含有量を比較し,両者をWHO(世界保健機関)とUK Food Strandards Agency(英国食品基準庁)によって出版された栄養ガイドラインで比較する.
【デザイン】横断研究
【場所】2010年におけるイギリスの食料品市場で最大のシェアを持つ3つのスーパーマーケット.
【サンプル】イギリスのテレビシェフの出した5つのベストセラー料理本に載っている100のメインの食事レシピと,3つのイギリスの大手スーパーマーケットの100の自社ブランド調理済み食品.
【メインアウトカム】栄養素含有量がWHOの推奨に順守している食事の数,およびラベリング食品に対する英国FSAの"traffic light"システムを使用して赤、黄、または緑に分類した栄養素の割合.
【結果】WHOの推奨に完全に順守しているレシピや調理済み食品はなかった.調理済み食品は以下の成分に由来するエネルギーの推奨された割合により順守していた.炭水化物(18% 対 6%,P=0.01),糖(83% 対 81%,P=0.05),繊維密度(56% 対 14%,P<0.01).レシピは推奨ナトリウム密度(36% 対 4%,P<0.01)でより順守されていたが,調味料に使われている食塩については評価されなかった.FSAの食品表示の推奨における信号の色の分布は異なっていた:最多の信号は,レシピが赤(47%),調理済み食品が緑(42%)だった.全体的に、レシピは調理済み食品よりも,エネルギー(2530kJ 対 2067KJ),タンパク質(37.5g 対 27.9g),脂肪(27.1g 対 17.2g),飽和脂肪(9.2g 対 6.8g,全てP<0.01)で有意に多く,タンパ ク質あたりの繊維(3.3g 対 6.5g,P<0.01)で有意に少なかった.
【結論】テレビシェフの作るレシピも,英国の3つの大手スーパーマーケットが販売する調理済み食品も,WHOの推奨を順守するものではなかった.レシピは調理済み食品よりもかなり多くのエネルギー,タンパク質,脂肪,飽和脂肪が有意に多く含まれており,タンパク質あたりの繊維がより少なかった.

2012年:道路に設置されたスピードバンプは急性虫垂炎の診断に役立つ?

Ashdown HF, D'Souza N, Karim D, Stevens RJ, Huang A, Harnden A.
Pain over speed bumps in diagnosis of acute appendicitis: diagnostic accuracy study.
BMJ. 2012 Dec 14;345:e8012. doi: 10.1136/bmj.e8012.
PubMed PMID: 23247977; PubMed Central PMCID: PMC3524367.
【目的】急性虫垂炎の診断のためのスピードバンプ上の走行での痛みの診断精度を評価する.
【デザイン】質問紙を用いた前向き診断精度研究.
【場所】英国の地域総合病院における二次医療外科評価ユニット.
【参加者】虫垂炎疑いの評価のためにオンコールの外科チームに紹介された17~76歳の101人の患者.
【メインアウトカム】虫垂炎の診断のために,組織学的な虫垂炎の診断をreference standardとした場合の,スピードバンプを越える際の痛みの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,陽性尤度比,陰性尤度比.
【結果】来院までにスピードバンプの上を走行した64人の患者が分析に含まれた.このうち34人が組織学的に虫垂炎と診断され,33人がスピードバンプを越えるときに痛みが強くなったと報告した.感度は97%(95%信頼区間85~100%),特異度は30%(15~49%)だった.陽性的中率は61%(47~74%),陰性的中率は90%(56~100%)だった.陽性尤度比は1.4(1.1~1.8),陰性尤度比は0.1(0.0~0.7)だった.スピードバンプは,痛みの放散や反跳痛を含む他の臨床的な特徴で評価した場合と比べて,優れた感度,陰性尤度比を示した.
【結論】スピードバンプを越える際の痛みの存在は,急性虫垂炎の可能性の上昇と関連があった.診断の変量としては,臨床評価で一般的に用いられている他の特徴と比べても良かった.スピードバンプについて尋ねることは臨床評価に貢献し,患者を電話で評価する際に有用かもしれない.

2012年:ルドルフ(サンタクロースのトナカイ)の鼻はなぜ赤い?

Ince C, van Kuijen AM, Milstein DM, Yuruk K, Folkow LP, Fokkens WJ, Blix AS.
Why Rudolph's nose is red: observational study.
BMJ. 2012 Dec 14;345:e8311. doi: 10.1136/bmj.e8311.
PubMed PMID: 23247980; PubMed Central PMCID: PMC3524369.
【目的】サンタクロースのそりを引く最もよく知られているトナカイの一匹であるルドルフの明るい赤い鼻が,非常に緻密で豊かな鼻の微小循環によるものであるという仮説を検証するために,ヒトの鼻の微小循環の機能形態をトナカイと比較して特徴を調べる.
【デザイン】観察研究.
【場所】ノルウェーのトロムソ(北極点付近)とオランダのアムステルダム.
【参加者】5人の健康なヒトボランティア,2頭のトナカイ,1人のグレード3の鼻ポリープ患者.
【メインアウトカム】鼻中隔粘膜と下鼻甲介の頭の微小血管系の構造,赤血球の動力学,局所薬剤に対する微小循環のリアルタイムな反応.
【結果】ヒトとトナカイの鼻の微小循環の間に類似点が判明した.トナカイの鼻中隔の粘膜にあるヘアピン状の毛細血管は赤血球に富み,還流血液密度が20(SD 0.7)mm/mm2だった.赤血球の流れを含む毛細血管に囲まれた散在性の腺窩や腺様構造が,ヒトとトナカイの鼻で発見された.健康なボランティアでは,鼻微小血管の反応性は局所麻酔薬使用下での血管収縮活性として調べられ,その結果毛細血管血流の直接的な遮断をもたらすことが示された.微小血管系の異常は,鼻ポリープ患者で観察された.
【結論】トナカイの鼻の微小循環は血管が豊富であり,ヒトのそれよりも25%高い血管密度を示す.これらの結果は,ルドルフの伝説的な明るい赤い鼻に本来備わっている,ソリを引いている時に凍らないように保護し,トナカイの脳の温度を調節する助けになり,極端な温度下でサンタクロースのそりを引く空飛ぶトナカイの本質的な機能を明らかにする.

2012年:19世紀の医療におけるプラセボ

Raicek JE, Stone BH, Kaptchuk TJ.
Placebos in 19th century medicine: a quantitative analysis of the BMJ.
BMJ. 2012 Dec 18;345:e8326. doi: 10.1136/bmj.e8326.
PubMed PMID: 23249668; PubMed Central PMCID: PMC3525309.
【目的】19世紀における"プラセボ"という語句の使用についての最初の定量的なデータを提供する.
【デザイン】1940年1月(第1巻)から1899年12月までのBMJのアーカイブデータベースで"placebo(s)"の語の使用をコンピュータで検索する.グラウンデッド・セオリーを用いて,語句の使い方の意味を分類するために用いられた.
【結果】71件の論文が"placebo(s)"の語句を使用していた.このうち,22件(31%)では"無効"や一般化した軽蔑した語句として使用し,18件(25%)ではプラセボ治療は自然史(疾患の自然経過で増悪し軽快する)を明らかにする治療であると表現し,14(20%)では患者に満足してもらうのに重要であると記述し,7(10%)では医師の役割を満たすためのものであると記述し,3(4%)では時間を買うために使用すると記述し,3(4%)では金銭的利益のために用いると記述し,2(3%)ではプラセボ対照と同じ意味で使われ,1つだけがプラセボが臨床効果を持ちうると示されていた.たった1件だけがプラセボ治療について患者に伝えたと書かれていた.
【結論】19世紀の医師がプラセボに関する多様な先験的な仮定を持っていた.これらの知見は、現代医学が”医療の提供”に対して信じられていることとは切り離して,厳密な科学を使用する必要があることを思い出させる.前の世代と同様,プラセボに関する倫理的問題は医学に挑戦し続ける。

2011年:整形外科医はウシと同じくらい強く,2倍賢い?

Subramanian P, Kantharuban S, Subramanian V, Willis-Owen SA, Willis-Owen CA.
Orthopaedic surgeons: as strong as an ox and almost twice as clever? Multicentre prospective comparative study.
BMJ. 2011 Dec 15;343:d7506. doi: 10.1136/bmj.d7506.
PubMed PMID: 22174322; PubMed Central PMCID: PMC3240683.
【目的】整形外科医と麻酔科医の知性と握力を比較する.
【方法】英国での,36人の男性整形外科医と40人の男性麻酔科医の他施設前向き比較研究.
【結果】平均握力は整形外科医が47.25(SD 6.95)kgであり,麻酔科医の43.83(SD 7.57)kgより有意に強かった.平均知力テスト(IQ=一般集団の平均100,標準偏差15)の点数も,整形外科医が105.19(SD 10.85)であり,麻酔科医の98.38(SD 14.45)よりも有意に高かった.
【結論】男性整形外科医は男性麻酔科医よりも知的で握力が強いので,麻酔科医としては,整形外科医を笑いものにする新たな方法を見つけなければならない.

2011年:死に神の速さは?

Stanaway FF, Gnjidic D, Blyth FM, Le Couteur DG, Naganathan V, Waite L, Seibel MJ, Handelsman DJ, Sambrook PN, Cumming RG.
How fast does the Grim Reaper walk? Receiver operating characteristics curve analysis in healthy men aged 70 and over.
BMJ. 2011 Dec 15;343:d7679. doi: 10.1136/bmj.d7679.
PubMed PMID: 22174324; PubMed Central PMCID: PMC3240682.
【目的】死に神の歩く速度を測定する.
【方法】オーストラリアでの,70歳以上の男性1705人を対象としたコホート研究.
【結果】平均歩行速度は0.88(範囲0.15~1.60)m/s.死亡に対して最も感度・特異度が高かったのは(Youden index=感度+特異度-1が高い)0.82m/s(約3km/h)で,この時感度63%,特異度70%だった.生存分析では,0.82m/sより歩行速度が高い高齢男性では1.23(95%CI 1.10~1.37)倍死亡率が低かった(p=0.0003).感度100%だったのは,歩行速度が1.36m/s(約5km/h)より速い場合であり,これより速い歩行速度では死亡はなかった.
【結論】死に神の歩行速度は普段は0.82m/s(約3km/h)と推定される.最大速度は1.36m/s(約5km/h)であり,死にたくない人にはこれ以上の速度で歩くことを勧めるとよい.

2001年:遠隔で過去にさかのぼって祈る「とりなしの祈り人」の血流感染患者への効果:ランダム化比較試験

Leibovici L.
Effects of remote, retroactive intercessory prayer on outcomes in patients with bloodstream infection: randomised controlled trial.
BMJ. 2001 Dec 22-29;323(7327):1450-1.
PubMed PMID: 11751349; PubMed Central PMCID: PMC61047.
【目的】遠隔で過去にさかのぼって祈る「とりなしの祈り人」が血流感染患者のために祈ることに効果はあるか.
【デザイン】後ろ向きに介入する二重盲検化ランダム化比較試験.
【場所】大学病院.
【患者】1990~1996年のに病院で発見された,3,393人の血流感染のある成人患者.
【介入】2000年7月に患者は対照群と介入群にランダム割付された.遠隔で過去にさかのぼって祈る「とりなしの祈り人」が介入群の患者に病状が良くなり,完全に回復するよう祈る.
【メインアウトカム】院内死亡,在院期間,発熱期間.
【結果】死亡率は介入群で28.1%(465/1,691),対照群で30.2%(514/1,702)だった(p=0.4).在院期間と発熱期間は対照群と比較して介入群の方が統計学的に有意に短かった(p=0.01,p=0.04).
【結論】遠隔で過去にさかのぼって祈る「とりなしの祈り人」が祈ることは,血流感染患者の在院期間と発熱期間を短くするので,臨床現場で使用することを考慮するべきである.




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