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なんごろく−健康診断・がん検診

健康診断のエビデンス  (項目新設2015/2/13,最終更新2015/2/13)
USPSTFの推奨  (項目新設2014/11/10,最終更新2016/12/7)

 健康診断のエビデンス (項目新設2015/2/13,最終更新2015/2/13)

健診・健診についてのエビデンスを示します.
2015年に無症状の人を対象としたスクリーニングが死亡率を減らすかどうかを検証した研究のシステマティックレビュー(Int J Epidemiol 2015)が出されました.腹部大動脈瘤,乳癌,大腸癌,肺癌,卵巣癌,前立腺癌のスクリーニングは,いずれも死亡率を減らしませんでした.

 USPSTFの推奨 (項目新設2014/11/10,最終更新2016/12/7)

健診・健診についての,U.S. Preventive Services Task Force米国予防医療サービス専門作業部会の推奨を以下に示します.日本の健診・検診で多く行われるものについて取り上げました.
あくまで米国での推奨ですから,日本でもこの通りにするべきかどうかは,個別に考える必要があります.
USPSTFの推奨はhttp://www.uspreventiveservicestaskforce.org/BrowseRec/Indexで公開されています.

項目 推奨内容 推奨Grade
 喫煙歴  2015  USPSTFは臨床医がすべての成人に喫煙について聞き,禁煙するように助言し,喫煙者には行動介入と禁煙のために米国FDAが認可した薬物療法を提供することを推奨する A
 USPSTFは臨床医が全ての妊娠女性に喫煙について聞き,禁煙するように助言し,喫煙者には行動介入と禁煙のために米国FDAが認可した薬物療法を提供することを推奨する A
 USPSTFは妊娠女性の禁煙における薬物治療介入の利益と害のバランスの評価が現在のエビデンスでは不十分と結論する I
 USPSTFは妊娠女性を含む成人における禁煙のための電子式ニコチン送達装置(ENDS)を推奨するのには現在のエビデンスは不十分と結論する.USPSTFは臨床医が喫煙患者にすでに確立した効果と安全性を持つ他の禁煙介入を導入することを推奨する I
 認知機能障害  2014  認知機能障害のスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
 うつ病  2014  18歳以上で,フォローアップを確実に行ううつ病サポート体制がある場合,スクリーニングを行うことを推奨する B
 18歳以上で,フォローアップを確実に行ううつ病サポート体制がない場合,ルーチンでスクリーニングを行なわないことを推奨する C
 身長・体重  推奨なし
 腹囲  2012  全成人は肥満のスクリーニングを行うことを推奨する.BMI 30kg/m2以上の患者は治療的介入を行う B
 血圧  2015  USPSTFは18歳以上で高血圧のスクリーニングを推奨する.USPSTFは治療開始前に診断を確定させるために家庭血圧を測定することを推奨する A
 眼底検査    推奨なし  
 視力検査  2009  高齢者に視力のスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
 眼圧検査  2013  開放隅角緑内障のスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
 血中脂質  2008  35歳以上の男性は,脂質のスクリーニングを行うことを強く推奨する A
 20〜35歳の冠動脈疾患のリスクが高い男性は,脂質のスクリーニングを行うことを推奨する B
 45歳以上の冠動脈疾患のリスクが高い女性は,脂質のスクリーニングを行うことを強く推奨する A
 20〜45歳の冠動脈疾患のリスクが高い女性は,脂質のスクリーニングを行うことを推奨する B
 冠動脈疾患のリスクが高くない20〜35歳の男性と20歳以上の女性は,脂質のスクリーニングを行うか行わないかの推奨を作ることができない C
 空腹時血糖・HbA1c  2015  過体重または肥満の40〜70歳成人は心血管リスク評価の一環として血糖のスクリーニングを行うことを推奨する.臨床医は血糖異常の患者に健康的な食事と身体活動を促進するために集中的な行動カウンセリング介入を提供するか紹介するべきである B
 2008  持続的に血圧が135/85mmHgを超える無症状の成人では,2型糖尿病のスクリーニングを行うことを推奨する B
 持続的に血圧が135/85mmHg以下の無症状の成人では,利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
 貧血  2006  無症状の妊婦は鉄欠乏性貧血のスクリーニングをルーチンで行うことを推奨する. B
 肝機能    推奨なし  
 C型肝炎  2013  感染のハイリスク者に,HBV感染のスクリーニングを行うことを推奨する.1945〜1965年生まれの成人には,HCVスクリーニングを1回のみ行うことを推奨する B
 B型肝炎  2014  感染のハイリスク者に,HBV感染のスクリーニングを行うことを推奨する B
 血清クレアチニン
(CKD)
 2012  CKDのスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
 血清尿酸    推奨なし  
 血清アルブミン    推奨なし  
 尿蛋白    推奨なし  
 血尿    推奨なし  
 胸部エックス線    推奨なし  
 喀痰検査    推奨なし  
 心電図   2012  冠動脈疾患の低リスクにある無症状の成人は,冠動脈疾患の予測のために安静時または労作時心電図でスクリーニングを行わないことを推奨する D
 冠動脈疾患の中等〜高リスクにある無症状の成人は,冠動脈疾患の予測のために安静時または労作時心電図でスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I
骨粗鬆症   2011  65歳以上の女性と,リスク因子のない65歳白人女性以上に骨折リスクのある女性は骨粗鬆症のスクリーニングを行うことを推奨する B
 男性では骨粗鬆症のスクリーニングを行うことの利益や害についてのエビデンスは不十分なので,推奨が決められない I I
 肺機能検査  2008  COPDのスクリーニングのために肺機能検査(スパイロメトリー)を行わないことを推奨する D
 肺がん  2013  55〜80歳成人で30 pack-year(B.I. 600相当)の現在喫煙者と禁煙が15年以内の人は低線量CT(LDCT)による肺がんスクリーニングを毎年行うことを推奨する.禁煙して15年以上経過したか余命が限られているか根治的肺手術を受けないとする場合は,スクリ^ニングを中止する B
 大腸がん   2016  50歳で開始し75歳まで継続して結腸直腸癌のスクリーニングを行うことを推奨する
利益と害はスクリーニング方法によって異なる.スクリーニング戦略の詳細についてはClinical Considerration sectionTableを見よ.
A
 76〜85歳の成人での結腸直腸癌のスクリーニングの決定は,患者の全体的な健康度とこれまでのスクリーニング歴を考慮して,個別に行うべきである.
・この年齢層の成人でこれまで結腸直腸癌スクリーニングを受けたことがない人はより利益があるだろう.
・スクリーニングは1)結腸直腸癌がみつかった場合に治療を行える程度に元気であり,2)生命予後が限定された併存疾患がない場合に最も適していると考えられる.
C
 胃がん    推奨なし  
 子宮がん     2012  21〜65歳女性での3年毎の細胞診(パップスメア)または30〜65歳女性での5年毎の細胞診とHPVテストとの組み合わせを行うことを推奨する A
 30歳未満女性のHPVテスト単独やHPVテストと細胞診の組み合わせは行わないことを推奨する D
 21歳未満女性では行わないことを推奨する D
 65歳以上女性で十分なスクリーニングを受けてきた人で,子宮頸がんのハイリスクでなければ,行わないことを推奨する D
 子宮摘出術を受けた,高度前がん病変や子宮頸がんの既往のない女性では,行わないことを推奨する D
 乳がん   2016  50〜74歳女性には2年毎のマンモグラフィーを推奨する B
 40〜49歳女性がいつマンモグラフィーによるスクリーニングを開始するかは個別に判断する C
 75歳以上女性へのマンモグラフィーはエビデンスが十分でない I
 全年齢でデジタル乳房断層シンチグラフィー(DBT)は乳癌の一次スクリーニングとして利益と害の評価についてのエビデンスが不十分である I
 マンモグラフィーによるスクリーニングで陰性だったデンスブレスト(乳腺濃度の高い乳房)に対して,超音波,MRI,DBTや他の方法で付加的なスクリーニングを行うことは,現在のエビデンスでは利益と害のバランスの評価が不十分である. I
 前立腺がん  2012  PSAによる前立腺がんのスクリーニングは行わないことを推奨する D

※推奨Gradeの分類
A:行うように強く勧める
B:行うように中程度勧める
C:どちらかというと行うように勧める
D:害が利益を上回るので行わないことを勧める
I:エビデンスが無かったり質が低いため評価できず,推奨が出せない

※なんごろくの記載内容に間違いをご指摘頂ける方やご意見をお寄せいただける方は,是非,こちらまで御連絡下さい.




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