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なんごろく−手技

腰椎穿刺でスタイレットを戻してから抜針すると穿刺後頭痛が防げるか (最終更新2022/6/7)

 腰椎穿刺

腰椎穿刺でスタイレットを戻してから抜針すると穿刺後頭痛が防げるか (項目新設2022/6/7,最終更新2022/6/7)

「腰椎穿刺をして検体を採取した後,スタイレット(内針)を戻してから抜針すると穿刺後頭痛が防げる」というエビデンスがあると信じられています.ただ,このよく引用されている原著論文(J Neurol 1998;245:589)を読んだことはあるでしょうか.

600人の患者を対象に腰椎穿刺時にスタイレットを挿入して抜針するのと,挿入せずに抜針するのとを比較したランダム化比較試験です.
ここで用いられている針はAtraumatic needleと言って,ちょうどこの論文にある図のような外筒の横に穴が空いていてスタイレットの出し入れすることでシャッターのようになっているため,スタイレットを再挿入せず針を抜くとそのシャッターの部分にくも膜が入り込んで抜く際に硬膜外腔に引き出してしまうので,抜針後にくも膜を伝わって髄液が漏出するリスクがあると著者は仮説を立てています.シャッターの部分に硬膜が入り込んで抜針時に硬膜に傷をつけてしまう可能性もあるでしょう.それで,スタイレットを挿入してから抜針すると,シャッターが閉じてくも膜の引き出しや硬膜の損傷が防げるのですね.
Atraumatic needleは挿入時に髄膜に傷をつけないよう先端が鈍になっている針ですが,私は今まで見たことがありません.普通使っているルンバール針は先端に穴が空いているタイプなので,スタイレットを戻しても戻さなくても特に違いはないはずです.ただ,検体採取後に漏出を防ぐために一旦内針を入れて"栓をする"ので,どのみち内針を入れた状態で抜針しますけどね(笑).
むしろこのタイプの針は,硬膜の線維が縦(頭尾方向)に走行しているので,穿刺時に穿刺針の切っ先(鋒)を上向き(体の側方)に向けて線維の走行と平行に挿入していくことが勧められます(普通は無意識にそうすると思います).線維を横断するように,例えば切っ先を頭側に向けて挿入すると刺入時に硬膜線維を切断してしまうかもしれません.


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