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なんごろく−循環器

ロングフライト症候群 (最終更新2009/8/12)

 肺血栓塞栓症 (最終更新2009/8/12)

ロングフライト症候群 (最終更新2009/8/12)

かつては,エコノミークラス症候群といわれていたが,ビジネスクラスでもファーストクラスでも起こることから,病名として不適切とされ,現在ではロングフライト症候群と呼ばれている.
でも,震災の時に長時間自家用車での生活を余儀なくされた人の中にも同じ病態が起こるのであるから,長期安静症候群とかの方が(カッコ
悪いが)正しい表現ではないだろうか.
飛行機の搭乗時間の長さと発症率の関係については,いくつかの論文が発表されている.
オッズ比(95%CI) p
6時間未満 0.011(0.00019-0.11) <0.0001
6〜8時間 1.0
8時間 2.3(2.4-3.6) <0.0001
  • 別の研究(Ann Intern Med 2009;151:180)では,旅行時間が2時間延びる毎に18%の静脈血栓塞栓症のリスクが上がると示されている.
    ※この論文は,エビマヨの会で批判的吟味されています.
  • さらに別の研究(PLoS Med 2007;4:e290)では,絶対的な発症率まで報告されている.
    これを見ると,4時間の前後,12時間の前後で大きく危険率が上がっているように見える.
飛行時間 発症率/1,000人年
(95%CI)
発症率比
(95%CI)
危険率/100,000飛行 1例発症するために
必要な飛行数
飛行せず 1.0(0.7-1.5) 1
0〜4時間 0.5(0-1.4) 0.4(0.1-1.9) 0.9 1/106,667
4〜8時間 2.3(0.7-4.8) 2.3(0.9-5.9) 10.8 1/9,254
8〜12時間 2.2(0.8-4.4) 2.2(0.9-5.4) 15.8 1/6,317
12〜16時間 5.2(2.0-9.9) 5.3(2.3-12.4) 53.0 1/1,887
16時間超 5.9(1.5-13.4) 5.7(2.0-16.5) 79.3 1/1,264
  • この研究では,飛行機搭乗後の時間経過で,静脈血栓症のリスクがどうなるかについても報告している.
    これによれば,搭乗後2週間が最もリスクが高く,次第に下がってくることが分かる.
飛行時間 発症率/1,000人年
(95%CI)
発症率比
(95%CI)
飛行せず12週未満 1.0(0.6-1.4) 基準
0〜2週 4.7(2.4-7.7) 4.9(2.5-9.9)
2〜4週 2.9(0.9-6.1) 3.1(1.2-8.2)
4〜8週 2.0(0.6-4.1) 2.2(0.8-5.7)
8〜12週 1.1(0.1-3.1) 1.2(0.3-4.9)
結局のところ,6時間辺りを目安に,それより長い搭乗時間の飛行機では,静脈血栓塞栓症が起こりやすくなると考えて良いだろう.
日本では,グァム,サイパンは大丈夫だが,ハワイは注意が必要,韓国,台湾,中国,フィリピンは大丈夫だが,バンコク,シンガポールは要注意というわけだ.

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