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なんごろく−EBMポートフォリオ作成のコツ Step1の書き方 (項目新設2022/1/4,最終更新2022/1/4)EBMの5つのStepを順に書いていきます.臨床疑問をPICOで定式化する 導入部分の最後に1文で書いた臨床疑問をPatient/Intervention/Comparison/Outcomeに分けて,PICOの形で定式化します.
例えば,以下のようにまとめます. Patient:脳梗塞の既往のある高血圧患者が」 Intervention:「収縮期血圧を120mmHg未満にするのは」 Comparison:「140mmHg未満にすると比べて」 Outcome:「脳卒中の再発が防げるか/生命予後が延長するか/転倒が増えるか」 PICOを立てる際の注意点 PICOで定式化する際には,以下の点に注意します.1)患者を主語とした1文になるように書く 2)アウトカムは患者にとっての真のアウトカムを置く 3)文末は疑問形にする 4)利益と害の両方のアウトカムを検討する 1)患者を主語とした1文になるように書く 臨床疑問は1人の患者の疑問なので,Patient,Intervention,Comparison,Outcomeはすべて一連のものです.したがって,1文となるように示します. 臨床疑問では「〜は行う(受ける)べきか?」としていましたが,アウトカムはより具体的なものを挙げます. 2)アウトカムは患者にとっての真のアウトカムを置く アウトカムは,具体的であればあるほど良いです.「予後は良くなるか」といった曖昧なアウトカムでは,エビデンスを当てはめる際に利益と害の比較が困難になってしまいます.アウトカムはなるべく具体的に書きましょう. 3)文末は疑問形にする PICOを1文ではなく語句で書いた場合に起こりがちな誤りは,アウトカムを「◯◯がどうなるか」としてしまうものです.文末は,それが起こりやすくなるのか,あるいは防げるのかといった「方向」を含めて書くのがポイントです.したがって,アウトカムを単に「脳卒中」という語句にしたり,「脳卒中はどうなるか」といった中立的な書き方にしたりするのではなく,「脳卒中の再発が防げるか」のように期待(予測)する方向も含めて示します.ここで方向を予想しておくことにより,実際のエビデンスを調べた際に,予想と一致しているか,予想に反しているかを判断することができます. 4)利益と害の両方のアウトカムを検討する アウトカムが1つ,しかも望ましいアウトカムしかないのをよく見ますが,もし有益な効果しかないのであれば,あとはコストだけの問題になり,よほどのことがない限り,その介入を行うことになってしまいます. 疑問のカテゴリーを決める 定式化された疑問は,その内容に応じて「カテゴリー」と呼ばれるものに分類します.どのカテゴリーに分類されるかによって,その後のstepでのアプローチが変わってきます.
治療・予防のカテゴリの臨床疑問が初心者には最もとっつきやすいと思います.予後と治療と予防が混同されやすいですが,予後は(研究者が)何も手を加えずに観察して将来どうなるかを,治療は現在ある障害を介入することで改善させることを,予防はまだ起こっていない将来の障害を介入することで防ぐことを指します.
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